「テレビに映る甲子園のアルプス席はあんなに輝いているのに、自分の子どもは3年間一度もベンチに入れなかった……」
「高校野球の綺麗事だけじゃない裏側や、親の本音が描かれた本を探している」
「高校野球や部活を頑張る子どものサポートに奮闘しているお父さん・お母さん」
「美談だけではないスポーツのリアルな人間ドラマに触れたい方」
「 耳から感情移入できる、心揺さぶられるオーディオブックを探している方」
この記事に辿り着いたあなたは、そんな切なくも熱い想いを胸に、『アルプス席の母』という作品が気になっているのではないでしょうか?
毎年夏になると日本中が熱狂する高校野球。しかし、その華やかな舞台の裏側には、レギュラーになれなかった選手たちと、その姿をグラウンドの外で見守り続けた家族の「知られざる物語」が存在します。
結論からお伝えすると、本書は単なる高校野球の感動小説ではありません。レギュラーの栄光の裏にある親の覚悟、報われない悔しさ、そして家族で駆け抜けた十数年間のリアルな記憶を呼び起こす、野球っ子の親にとってあまりにも胸に刺さる名作でした。
この記事では、2人の息子を小学1年から高校3年まで野球に捧げさせ、3年間一度もベンチ入りできなかった経験を持つ私が、『アルプス席の母』をAudibleで聴いた本音をお伝えします。
『アルプス席の母』はどんな物語?
主人公は、甲子園を目指す息子を支える一人の母親。
強豪校への進学、過酷な寮生活、ママ友・父母会での付き合い、そして熾烈なレギュラー争い――。高校野球の表舞台ではなく、その「裏側」で奮闘する親たちの姿を描いた作品です。
一人の高校球児の成長物語というよりも、「子どもにすべてを賭ける親の覚悟と葛藤」がリアルに描かれているからこそ、ページを(あるいは耳を)めくる手が止まらなくなるような緊迫感があります。
「ベンチ入りした母」の物語に、最初は少し距離を置いた理由
本書の主人公の息子は、最終的にベンチ入りを果たします。
それを知ったとき、私は正直「あぁ、ベンチ入りできた親の話か……」と、ほんの少しだけ距離を感じてしまいました。
私には2人の息子がいますが、2人とも小学1年生から高校3年まで野球を続けたものの、高校3年間一度もベンチ入りすることは叶いませんでした。だからこそ、「私が本当に読みたかったのは、最後までベンチ入りできなかった選手と、その親の物語なんだよな」という想いがあったからです。
それでも読み進めるうちに、この作品の本質は「ベンチに入れたかどうか」ではなく、「子どもと同じ夢を見て、共に闘った親の姿そのもの」であることに気づかされ、深く共感していくことになりました。
シニア、当番、入寮の日……「あるある」の連続に蘇る記憶
この本を聴いていて驚いたのは、あまりにもリアルな「高校野球の日常」でした。
シニア時代のこと、父母会の空気感、親の当番、山のような大量のご飯の準備、そして高校進学の悩み。
中でも、「入寮の日、息子を送り届けた帰り道の言いようのない寂しさ」の描写には、当時の記憶が一気に蘇りました。
あの頃、片道5、6時間かけて、応援に行っていたなぁ・・・
「ちゃんとご飯を食べられているだろうか」「寮生活に馴染めているだろうか」――親は何もしてやれず、ただ心配することしかできないあの無力感。あの日の帰り道の景色は、今でも忘れられません。
「あの日の入寮の寂しさや、父母会の苦労は経験した人にしかわからない」――そんなリアルな追体験をしたい方には、Audible版での耳読書がおすすめです。
社会人野球までやった私だからこそ感じた「光と影」
実は私自身も、社会人野球まで本気で野球を続けてきました。
だからこそ、一人の「親」としてだけでなく、一人の「野球経験者」としても試合やチームの裏側を見てしまいました。
監督の考えもある、チームの事情もある。外から見ただけでは分からない大人の事情があることも理解しています。
それでも、2人の息子が必死に泥まみれになる姿を間近で見続けてきた父親として、「努力だけでは説明できない理不尽な現実や、実力以外の壁がある世界」を痛感させられる場面が幾度もありました。これは負け惜しみでも何でもなく、野球を愛し、真剣に向き合ってきたからこその本音です。
3年間、一度もベンチ入りできなかった現実と、親の苦しさ
高校最後の夏。メンバー発表の日。
親にできることは何もなく、ただ結果を待つだけ。あの時間のあまりの苦しさは、経験した人にしか絶対に分かりません。
レギュラーの親御さんに悪気などないことは分かっています。でも、「ベンチ入りできなかった家庭の悔しさ」は、どれだけ言葉を尽くしても当事者にしか理解できないものです。
子ども以上に親が悔しい。いや、本当は子どもが一番悔しいはずなのに、その子どもの前では絶対に悔し涙を見せられない。「よく頑張ったな」と笑顔で声をかけるしれない親の胸中は、筆舌に尽くしがたいものがありました。
途中から、私は通常のスピードではなく2.2倍速で聴き進めました。
2.2倍はかなりの早口になります
それは内容がつまらなかったからではありません。思い出がよみがえりすぎて、普通の速度では胸が詰まって聴いていられなかったからです。
まとめ:ベンチに入れなかったすべての子どもと親へ
『アルプス席の母』は、単なる高校野球の感動小説の枠を超え、「子どもと共に闘った親の十数年間の軌跡」を思い出させてくれる一冊でした。
こんな人におすすめ
✓高校球児、または小中学生で野球を頑張る子どもを持つ親御さん
✓3年間ベンチ入りできなかった悔しさや、言葉にならない痛みを抱えた経験がある方
✓高校野球の華やかな光だけでなく、その裏側にあるリアルな人間ドラマを知りたい方
甲子園のグラウンドでプレーする選手だけが主役ではありません。
ベンチに入れなかった選手も、アルプス席で声を枯らした選手も、そしてその背中をずっと支え続けた親も、みんなそれぞれの場所で「自分の高校野球」を戦い抜いたのです。
2人の息子よ、最後まで野球を辞めずにやり抜いてくれて本当にありがとう。そして、この本は、そんな全国のすべての野球っ子の家族の心にそっと寄り添ってくれるはずです。
甲子園の裏側にある「親たちの本当の物語」。涙なしでは読めない名作を、今すぐAudibleの無料体験で聴いてみませんか?


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