いや~、やっぱり安定してますね
そう、山本甲士さんの本のことです
もう何冊目かな、山本甲士さんの本を聴くのは・・・
聴きやすいよ、やっぱり
はい、ということで、
この記事にたどり着いたあなたも、もしかしたら次のような疑問や興味を抱いているのではないでしょうか?
「山本甲士さんの短編集『ひろいもの』って、一体どんなテーマやストーリーが描かれているの?」
「ネットのレビューや感想では、どのエピソードが特に評価されているの?」
「作中で描かれる、物を拾ったことをきっかけに人生が思わぬ方向へ転がっていく人々の心理やリアルな人間模様を知りたい」
今回は、耳での読書(Audible)を通じてこの連作短編集を隅々まで体験した私が、ネット上の読者レビューや評判、そして各エピソードに対する赤裸々な本音の感想を交えながら、徹底的にレビューしていきます。
1. ネットのレビューから見る『ひろいもの』の評価と全体像
山本甲士さんの作品といえば、日常のふとした一コマから、人間の滑稽さや思い込み、そして温かな再生を描き出す巧みさに定評があります。その定評通りに私もハマってしまいました。
この『ひろいもの』も、タイトル通り「何かを拾う」という小さな偶然から、登場人物たちの日常が静かに、そして良い方向にいく連作短編集です。
ネット上の読者レビューや書評を見渡してみると、次のような声が多く寄せられています。
「日常の延長線上にあるはずなのに、拾ったものをきっかけにとんでもない方向へ転がっていく展開が面白い」
「登場人物たちが決して完璧ではなく、どこか不器用だったり、危うい選択をしたりする姿に人間臭さを感じる」
「男性だけでなく、女性の視点から描かれるエピソードのリアルさや切なさが心に残る」
綺麗なサクセスストーリーではなく、人間の欲や弱さ、そして「ついやってしまう」愚かしさが絶妙なバランスで描かれているため、読めば読むほど妙なリアリティと引力に引き込まれていくのが、この作品の最大の特徴です。
2. 各章(アイテム)に見る人間模様と、本音のツッコミ・考察
本作に収められた5つのエピソードは、それぞれが異なる「拾いもの」を軸に展開されます。それぞれの章における登場人物たちの動きや、ネットでの評判を交えつつ、感じたことを深く掘り下げてみます。また5つのエピソードは何かしら繋がっているのは、とても上手に書けているなぁと感心しました。
① セカンドバッグを拾う:現代のトラブルと青春の記憶
セカンドバッグを拾うことから始まる最初の騒動。物語の世界とはいえ、「最初のトラブルは当然あるあるだな」と思いつつ、現代の感覚でいくと「いや、今の時代ならカスハラとして完全に対応できるだろ!」とツッコミたくなります。理不尽な客や変な人間など必要ないし、関わらないのが一番です。
しかし、この章の最後のシーンについて。読んでいてふと脳裏に蘇ったのが、かつて週刊少年マガジンで連載されていた漫画『BOYS BE…』(ボーイズビー)の空気感でした。拾ったカバンをきっかけに、あれよあれよと良い方向へいくのですが、最後まあ、なんとも偶然に予期せぬデートに至る展開などは「まさにボーイズビーやん!」と、どこか懐かしく甘酸っぱい気持ちにさせられます。
私の高校時代、まさにBOYS BE…はど真ん中、授業中にこっそりと呼んでいた漫画でした。そして授業中にマカジンを読み回ししていたのです。
毎回、羨ましい話になるので、
友達は、
「ボーイズビ~!!!」って叫んでたのは良い思い出です(笑)
② サングラスを拾う:走る衝動と、若かりし日の記憶の重なり
サングラスを拾っただけで、掛けるやいなや走り出したくなり、嗅覚や聴覚まで鋭くなる――もちろん、そんなSF的な超能力が現実に起こるわけがありません(笑)
しかし、この描写を読んでいると、自分が過去にハーフマラソンやフルマラソンに挑戦したときの記憶が生々しく蘇ってきました。走っている最中の、ふくらはぎや太ももの引き裂かれるような激痛。それでも歯を食いしばって完走した「若かりし日」の必死な自分。サングラスの魔力とは違いますが、身体を極限まで動かしたときの感覚や爽快感は、年齢を重ねた今でもリアルに呼び覚まされます。
この回も、あれよあれよと良い方向へいくのが、またいい
③ バッジを拾う:警察手帳を巡る危うい選択
警察手帳(バッジ)を拾ってしまい、何をどう間違えたのか「自分がどうにかしよう」と動き出してしまう登場人物。「おいおい、こいつはちょっと駄目なやつだ、絶対に真似できないし関わりたくもない!」と思わずにはいられません。正常な判断力を失った人間が、あろうことか危険な橋を渡ってしまう、そのハラハラする危うさが山本甲士作品の真骨頂です。
警察手帳を見せびらかして、悪人を懲らしめるシーンはスカッとしました
④ ハンドクリップを拾う:肉体改造と心の変化
ハンドクリップを拾ったことをきっかけに、手首のトレーニングを始め、ついには本格的にジムへ通い出すエピソード。
これは以前に読んだ山本甲士さんの『ネコの手を借ります』にも通じるテーマですが、人間は肉体を鍛え始めると、不思議と心やメンタルまでもが少しずつ強くなっていくものです。年齢に関係なく、自らの身体と向き合い、生活や自分自身をアップデートしようとする姿勢には、非常に強い共感を覚えます。
著者の山本甲士さんも、筋トレ経験者なので、とてもリアルに書かれていたのはお見事です
⑤ ウォッチを拾う:女性が選んだ選択と、あまりに風変わりな結末
そして最後のエピソード、亡くなった元恋人が欲しがっていた時計を拾い、何を思ったかその元恋人が住んでいたアパートを女性自らが借りてしまうという、強烈なエピソードに行き着きます。
「いや、亡くなった人のアパートを借りるなんて、そんな奴おらんやろ……!いや居るかもしれんけど、俺なら怖いわ・・・」と、さすがにこれには全ツッコミを入れたくなりました。行動の動機や執念があまりにも斜め上を行っており、まさに「最後の主人公(女性)は変な人やわ」と呆れつつも、忘れられない強烈なインパクトを残していきます。この執着の裏にある心理描写こそが、本作の最もディープな読みどころです。
3. 男女それぞれの「不器用さ」と、人生の偶然
人生の岐路に立ち、思い詰めていたり、誤った選択をしてしまったりする女性たちの姿も、非常に生々しく描かれています。
ネットのレビューでも、「登場人物たちが賢く生きられないからこそ、愛おしく、そして時にイライラさせられる」という意見が多く見られます。誰しも人生の中で「あそこであんな物を拾わなければ」「あんな選択をしなければ」という瞬間があるはずです。山本甲士さんは、その「ちょっとしたボタンの掛け違い」をユーモアとシニカルさを混ぜ合わせて見事に描き出しています。
まとめ:『ひろいもの』はこんな人におすすめ
日常の小さな偶然が、とんでもない方向へ転がっていく物語が好きな人
登場人物たちの不器用な選択や、思わずツッコミを入れたくなる人間ドラマを味わいたい人
読後に「人間の業って面白いなぁ」と深く考えさせられる短編集を探している人
◇耳で聴くからこそ際立つ、Audible版の魅力
こうした一癖も二癖もある連作短編集こそ、文字を目で追うだけでなく、Audible(耳で聴く読書)で聴くことによって、プロのナレーターの声を通した登場人物たちの焦燥感や滑稽さが何倍にも膨れ上がります。
セリフの裏にある独特の空気感や、次へ次へとページ(音声)を送りたくなるスリリングな展開を、ぜひ耳からたっぷりと味わってみてください。

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